circumstance evidence

状況証拠 – ヤザキユウイチ

Kindle DX 購入

1月下旬にKindle DX with Global Wirelessが出たので待ってましたと即購入。
使ってみて、筐体の手触りやE Inkを採用した画面の感じなどから受ける印象として、小説や漫画などのフィクションにこそふさわしいかなということ。なので収納ケースも和紙でできた書類入れを買ってみました。
iPhone後の世界なので、マルチタッチのダイレクトマニピュレーションができないのも慣れの問題ですが気になるといえば気になる。
画面に収まる最大表示というのをしてくれないので、A4サイズの資料は筐体を縦でみても横で見ても中途半端、というのは気になりますね。
買う前は持ってるPDFを全部突っ込もうかと思ってましたが、これはiPad待ちで。
とりあえず筒井康隆「虚構船団」、岩瀬大輔「生命保険のカラクリ」、夢野久作が江戸川乱歩について語っているコラムなどを入れてます。
通信はAT&Tの国際ローミングをNTTドコモが受けているという話。実際通信契約もせず、通信料も払わず(正確には書籍代に足されている)、設定もせずにいきなり使える訳で、これからのネット接続前提の専用デバイスのスタンダードなやり方になりそうな予感もしなくはないですが、Amazonみたいに購入モデルがないと難しいですかね。
ちなみに日本語フォントがハードの中に入っていると書かれているサイトも見かけますが、現時点では日本語フォントは入っていないのでファイルに書体が埋め込まれていないと文字化けしてしまいますし、KindleのHOME画面で並ぶドキュメントのリストでは日本語ファイル名は正しく表示されないです(書体の埋め込みと書体のアウトライン化は別物なので注意)。twitterで小飼弾氏が何度か日本語フォントが入っているとつぶやいていたので、入ってませんということを半ば必死にw お伝えしました。
ちなみにKindleという名称の考案者は、クロナン・デザインのマイケル・クロナン氏。
「せっかくいい名前を提案しても、書類手続でもたついているとボツになる。立ち上げまでの日数が限られてるベンチャー企業では、すぐ使えるということも大事なんだ」(「ブランド・デザイン」美術出版社刊より引用)という氏はすでに500種類以上の社名を登録商標取得済みとのこと。頼まれる前に思いついたら取ってしまうんだそうです。で企業から依頼があるとその中からふさわしいものを選びだしてこんなのどう?と提案するそうな。TiVOもこの方ですね。
クロナン・デザイン
http://cronan.com/
Kindleについての説明を引用。
A name to ignite an expansive idea –
“This is the most important thing we’ve ever done,” says Jeff Bezos. “It’s so ambitious to take something as highly evolved as the book and improve on it. And maybe even change the way people read… the vision is that you should [...]

10 Pop Shopping

友人の小林くんが10年前に活動していたユニットFish & Chipsを復活! ファーストアルバムが3月にiTunesでリリースされました(iTunesリンク)。極上ポップの詰まった全10曲。1曲目から4曲目までの流れが個人的に好きです。仕事しながらヘビロテ中。
小林くんとは今はなきOS Internetという会社で一緒に働いてまして、その会社はiTunes / iPodがまだこの世になかった2000年当時にユニバーサルミュージックなどと提携して楽曲配信も準備し、Dance Music Recordやbonjour recordsなどとレビューを提携し、編集部も内部で抱えていたクラブミュージック情報サイトを運営していましたが、当時はウェブ上の課金プラットフォームもなく、色々あってあえなく終了。今となっては面白エピソードはたくさんありますが色々差し障りがあるのでw 直接会った時にでも聞いてください。
official site

「デザイニング・ウェブインターフェース」発売

翻訳書、発売
去年末に翻訳書が発売された一冊。オライリーからインターフェイスデザインについての本は数冊でていますが、中でも一番具体的で速効性があるといえそうです。ajax以降のフロントエンドの使い勝手にフォーカスし、ケーススタディの集積から、系統だててデザインパターンとしてまとめあげたベスト・プラクティス集となっています。監訳者の浅野さん(http://blog.iaspectrum.net/)に献本いただきました。ありがとうございます!
本の内容について
「いずれデスクトップとウェブの境界はますますあいまいになってくるだろうが、それでもウェブでのリッチインタラクションを作ることには独特の特徴というものがある」と言う著者の一人、Bill Scott(http://looksgoodworkswell.blogspot.com/)は、Yahoo!在籍時代にYahoo! Design Pattern Libraryの一般公開に貢献した人物。共著のTheresa Neil(http://www.designgenie.org/)は、フリーランスのインターフェイスデザイナとのことです。
少しだけiPhoneやFlashによる実装の事例も含まれていますが、対象は主にPC向けサイトにおけるajaxを前提としたものといってよいでしょう。ロールオーバーが多用されてることや、画面サイズの差から考えても、ここに掲載されている手法はモバイルやiPhoneでは使えないことも多いはず。スマートフォンとi-modeブラウザ2.0搭載のDocomo端末をのぞくモバイルではJS使えないですしね。Flashの場合にも援用できますが、前提としている制約が違うかな、とは思いました。
使い勝手について、動作ロジックも含めてかなり細かく解説されていますが、具体的なデザイン手法やソースコードには触れていず、まさにユーザー・インターフェイスにフォーカスした内容になっています。少し前にとりあげたページングについても、カルーセル型も込みでばっちり規定されてました。素敵!
とりあげられているサイトは、メジャーで大勢の人に使われている今も動いているサイトが多いので、実際に触って確かめられるほか、デザイナー以外の人へ挙動を説明するのにも有用です。
またこれらを実際に多くの人が使っているということは、これらのユーザー・インターフェイスを学習しているともいえる訳で、この洗練ともいえる振る舞いや手法を、踏襲するにしてもしないにしても参考にせずにはいられないでしょう。
原書を持っていたのですが、素晴らしい和訳書を得た今、躊躇なく売るつもりですw
目次

第1原則 直接的なインターフェイスを作ろう

1章 ページ内編集
2章 ドラッグアンドドロップ
3章 直接的な選択

第2原則 軽快さを心がけよう

4章 コンテキスト連動型ツール

第3原則 1ページで完結させよう

5章 オーバーレイ
6章 インレイ
7章 バーチャルページ
8章 プロセスフロー

第4原則 インビテーションを仕掛けよう

9章 静的インビテーション
10章 動的インビテーション

第5原則 トランジションを利用しよう

11章 トランジションのパターン
12章 トランジションの目的

第6原則 すばやく反応しよう

13章 情報探索のパターン
14章 フィードバックのパターン

エピローグ

実現に向けて
読者対象としては、デザイナーやエンジニアをはじめ、企画職の方や、企業のご担当者などにも読んでいただきたいと思いますが、実現にあたっては、デザイナーが主導することが肝要です。具体的には用語ひとつ、機能ひとつ、実現したいこととインターフェイスの結びつきひとつにとってもデザイナーでない人の場合には齟齬が発生する可能性があって、それは専門ではないので当然のことともいえますが、そこは正しく、険がないようにw 矯正してあげることが必要です。
また自戒をこめて書きますが、実現にはデザインマターだけではなく、プロジェクトの座組みや進行に如何にきちんと組み込むか、にかかっているともいえそうです。具体的にはフロントエンドのスクリプトを誰が書くのかといったことや、作業負荷の見定め、システム会社との連携を如何にスムーズに行えるかが求められます。
ウォーターフォール型かアジャイル型かによっても違ってくると思いますが、できるだけプロジェクトの早い段階でこういったことをプロジェクトチーム内で共有し、実現できそうかどうかを見極めることが大事といえそうです。
ぜひ手にとって読んでみてください。

O’Reilly Japan – デザイニング・ウェブインターフェース
IA Spectrum: 監訳書『デザイニング・ウェブインターフェース』が発売されます

Yahoo!ショッピングの購入遷移

Yahoo!ショッピングはよく出来ていて、上記ダイアグラムはショッピングカートに入れた商品をユーザーが購入するまでのページごとの入力情報を、それぞれ上から下へ画面表示順にまとめたものですが、まずYahoo!ショッピングは、色んな店舗の集合体なので、店舗ごとにサポートしている決済手段/配送方法が異なっており、よって店舗ごとにショッピングカートが異るのでそれを選ぶところから始まるのですが、その後は上記step 1 からユーザータスクがスタートします。
ユーザーが滅多に変更することのないアカウント情報に紐づいている入力情報はstep 2にまとめられており、それ以外の、その時の買い物固有の入力情報はstep 1にまとめられています。
注文完了までたった3画面で端的にまとめられていますが、注文内容の表示位置にもこだわっているのが見受けられます。
step 1ではユーザーが注文しようとしている直後ですから、何を注文しているのかがわかるよう一番上に配置。step 2ではそのプライオリティは下がります。一番下ではなく、一番下にはメールアドレス入力欄があるのがちょっと不思議ですが、これは後述する通りリニューアル以前の名残りかもしれないですね。そしてstep 3では、もう注文完了直前の確認画面ですから再び注文内容の表示位置が一番上にきています。
といった感じで隅々まで考えつくされているのに。ああ。

step 3の注文内容確認画面で突然登場するメール送信のチェックボックス。初期状態ですべてオンになっています。
一番下までスクロールして確認しないユーザーは、気づかぬうちにメール送信に合意しているという訳です。
楽天市場が同じ仕様で有名ですが、楽天はある意味潔く以前から一貫してこの状態なのに対し、記憶が正しければ、以前2006年暮れごろに調べた時には、Yahoo!ショッピングは注文内容確認より前の画面、メールアドレスを入力する箇所でメール送信についても尋ねてきていたはず(初期状態でオンだったかまでは記憶にないのですが)。2007年11月29日のリニューアルで今の状態に改変されたのでしょうかね。
言わずもがなですが、一般的にこういった一連のタスクが複数ページにまたがって行われ、最後の一歩手前で入力内容を確認させる際に、その画面で初めて新しい要素を登場させることはユーザーに対する裏切り行為に近いものがありますが、さらにその内容がメール送信に合意という、買い物終えてしばらくして、関連性があやふやになっている頃にショップ側からのアクションとして届くのであんまりよろしくないかと思います。

Greasemonkey 用スクリプト – Deny Rakuten News

「『新しい郊外』の家」

建築的なものとの個人的な接点
著者の馬場さんといえば東京R不動産のディレクターとして有名ですが、ぼくが初めて知ったのは、それ以前にインディペンデントに出版していた「A」という雑誌でした。
当時、働いていた会社が業務停止に追い込まれ、望まないままフリーランスの状態になった時、お仕事でお世話になっていた建築事務所(インテンショナリーズ)のサイト構築のために建築系の本や雑誌の資料をあさっていて見つけたのが「A」でした。
当時(2000年)はトランス・アーキテクチャという造語を散見することができ、建築と周辺別メディアを複合的に見ることで新しい視点を獲得しよう、というニュアンスの言葉だったような気がしますが、それはそのままこの雑誌の特徴に近かったようにも思います。一番大きいのは周辺メディアの一つとしてインターネットも登場していることで、その言葉をとっかかりにネットや書籍や雑誌で情報を探していました。
結局サイトの方は、ありがちではありますが、建築とウェブの構造的な共通点や差異点を提示した上で、ポートフォリオを中心に構成し、時間/場所/種類といった属性でブラウズできるサイトをFlash4で作りました。
また、前職のbAに入った後に(会社経由で)プレゼンのお手伝いをさせていただいたことがあって、そのことは以前書いた通りです。
その後は建築事務所や建築的なこととは接点はなかったのですが、都市論、家族論など周辺分野も含めて関心のある分野の一つでして、読んでとても面白かった本の一部をあげると、伊東豊雄氏「けんちく世界をめぐる10の冒険」、「プロジェクトブック」(レビュー)、上野千鶴子氏の「家族を容れるハコ 家族を超えるハコ」、平松剛氏の「磯崎新の『都庁』」などなど。
東京R不動産は、引っ越しのあてもない時にもたまに見ていたので、今入居している物件を探す際には東京R不動産を中心に探していて、いい物件を見つけて、場所よりも物件ありきで契約しました。
読んでみた
そんなバックグラウンドもあったのですぐに買って読んでみました。都内暮らしを必然とする著者が、突然、千葉の海岸近くへ住むことを決意してしまった経緯と、実際に家を買うまでの方法論的体験談。 率直でテライのない語り口なので、素直に気持ちよくスイスイ読んでいくことができました。書かれてることは大きく分けると3つ。
・支払いの話
家を立てる時には工務店へ3回(着工時/上棟時/竣工時)支払いのタイミングがあり、それぞれ3分の1づつ払う必要があるが、住宅ローンを利用する場合、建物がたった後でないと担保となる建物自体がないので、建物が立ってから銀行から工務店へ一括で支払われるので、工務店としては資金繰りに困りますね、と。そこで登場するのが住宅メーカーで、工務店と銀行の間に入り、間のやり取りをパッケージ化。途中で必要な運転資金を肩代わりしてくれるので銀行にもメリットがある。これが、銀行が住宅ローンを組む際のメジャーな仕組みなので、住宅ローン組みつつ、住宅メーカーに頼まずに建築家に依頼する場合に立ち行かなくなってしまうので別な方法を考える必要がある、と。 この辺は説明不足かもしれないので、興味がある方は本を手に取ってください。
・間取りの話
住まいが家族の生活や関係を規定する面もあるのではないかという実体験を元にした話。セキララです。家のある場所や間取りが、一緒に住む人同士の関係を浸食する話。オーダーメイドで家を設計することは、その家族の人間関係の可視化である、と。
・リノベーションの次の波? 物件+場所の新しい価値観の話
従来「東京R不動産」が提案していた価値観が旧来の不動産屋がもっていなかった住まいに関するセンスや価値観だとしたら、その価値観が広く定着した今、「R不動産」の次なる価値観の提示にように感じました。ベッドタウンとして寝に帰るだけではなくて、仕事とプライベートとで住まいの場所を使い分け、積極的に勝ち取るものとしての首都圏郊外暮らしみたいな感じでしょうか。
まとめ的な何か
もっと順風満帆な方だと思っていたので、波乱万丈な(?)エピソードは驚きました。 勝手かつ一方的ながら非常に親近感持てました。過去の一つひとつの動きが必然的につながって一つも無駄になっていない所に心動かされるというか。もしかしたら(スケール感は異なっても)何も特別なことではなくて、誰であってもそうなのかもしれないと思ったり。先週デブサミでの西村佳哲氏の講演と合わせて、ちょっと勇気もらえた感じでした。

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